DAA

 2011年になると、従来のインターフェロンやリバビリンと違った抗ウイルス剤で、初の「C型肝炎ウイルスの遺伝子に選択的に直接作用する抗ウイルス薬(DAAs ; direct-acting antiviral agents と呼ばれています)」の一つである「テラプレビル(TVR; Telaprecir、商品名;テラビック)」が登場しました(第1世代HCV NS3/4Aプロテアーゼ阻害剤)。このテラプレビル(TVR)とペグインターフェロンのペグイントロン(PEGIFNα2b)、そしてレベトール(リバビリン)の3併用療法が同年9月に承認され、11月に発売、使用開始されました。この3併用療法では、「ジェノタイプ1かつ高ウイルス量」の患者さんの初回治療例で73%、前治療再燃例で88.1%、前治療無効例で34.4%という更に高いウイルス陰性化率を示しました。しかし、高度な貧血、重篤な皮膚病変、腎障害など、重い副作用が問題となり、諸刃の刃でもありました。

   

 2013年9月には、第2世代HCV NS3/4Aプロテアーゼ阻害剤である「ソブリアード(シメプレビル Simeprevir ; SMV)」が登場し、ペグインターフェロン、そしてレベトール(リバビリン)の3剤併用療法が9月に承認、12月に発売され、使用が開始されました。ソブリアード(シメプレビル)は、C型肝炎ウイルス(HCV)の複製に必須であるNS3/4Aセリンプロテアーゼを阻害します。セログループ1(ジェノタイプ(1a)又は(1b))のC型慢性肝炎患者で、血中HCV RNA量が高値の未治療患者、あるいはインターフェロンを含む治療法で無効又は再燃となった患者に対して投与されました。ソブリアードは1日1回1カプセルの投与で12週間、ペグインターフェロンおよびリバビリンの24週間または48週間投与との3剤併用で投与されます。「初回治療例」の陰性化率は、ソブリアード+Peg-IFNα-2a(ペガシス) + リバビリンで、88.6%。ソブリアード+Peg-IFNα-2b(ペグイントロン) + リバビリンで91.7%でした。「前回治療無効例」の陰性化率は、ソブリアード+Peg-IFNα-2a(ペガシス) + リバビリンで、50.9%。ソブリアード+Peg-IFNα-2b(ペグイントロン) + リバビリンで38.5%でした。「前回治療再燃例」の陰性化率は、ソブリアード+Peg-IFNα-2a(ペガシス) + リバビリンで、89.8%。ソブリアード+Peg-IFNα-2b(ペグイントロン) + リバビリンで96.6%でした。テラプレビルを使った3剤併用療法で問題となった貧血、皮膚症状等の副作用も軽減されており、副作用の種類および頻度は、以前のPeg-IFN+リバビリンの2剤併用療法と同等です。


 2014年9月には、HCV NS3/4Aプロテアーゼ阻害剤であるバニプレビル(バニヘップカプセル)が、ペグインターフェロン(α-2b)とリバビリンとの3剤併用療法として9月に承認され、11月より発売されました。バニプレビルは、シメプレビルと同じ第2世代のプロテアーゼ阻害剤です。

 C型慢性肝炎でジェノタイプ1a又は1bの方で、血中HCV RNA量が高値の未治療患者、インターフェロンを含む治療法で無効又は再燃となった患者が適応となります。バニプレビルも、C型肝炎ウイルス(HCV)の複製に必須であるNS3/4Aセリンプロテアーゼを阻害します。

 投与期間は、初回治療及び再燃例ではバニプレビル300mg(1日2回内服)が12週 + ペグインターフェロン(α-2b)とリバビリンが24週投与、インターフェロン前治療無効例ではバニプレビル300mg(1日2回内服)が24週 + ペグインターフェロン(α-2b)とリバビリンが24週投与となっています。陰性化率(SVR24)は、初回治療例では、83.7%(82/98)、再燃例では92.0%(23/25)、前治療無効例では61.9%(26/42)でした。

   

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