C型肝炎の検査

 患者さんが通過している具体的な駅の名前を知りたければ「肝生検」が一番適しています。肝生検は直接肝臓の組織を採取して顕微鏡で直接肝組織を観察する検査で信頼性が高いのですが、入院が必要でリスクも伴います。一方、外来で大まかにどの地方を通過中なのかを知りたければ「線維化マーカー(ヒアルロン酸、IV型コラーゲン等)」や「血小板」の値などを参考にします。これらの検査は慢性肝炎がどこまで進んだかをある程度推察できるため、慢性肝炎の「距離計」と言えます。また「腹部超音波検査(エコー)」も有力な情報源となります。

 一方、患者さんの汽車が今どのくらいのスピードで走っているかを知りたかったら、「GOT」(=AST) や「GPT」 (=ALT) の値を参考にします。これらはアミノ酸の造成を促進する酵素で、肝臓の炎症により壊れた肝細胞から血液の中に漏れ出てくるので、高値となります。高値が続くと急行電車に乗ってしまったようなもので、早く東京駅に着いてしまいます。GOTやGPTは「速度計」と言えるでしょう。

  

© 朱雀公道 2016